在日ロヒンギャ、チーム結成 宗教の違い超え、他民族と試合

平和願いサッカーで交流

ミャンマーで迫害されているイスラム教徒少数民族ロヒンギャの難民問題を巡り、群馬県館林市や周辺のロヒンギャの若者らがサッカーチームをつくり、日本国内にいる他の民族と試合を始めた。今後はミャンマーで多数派のビルマ民族チームとも対戦する予定だ。メンバーは「宗教や民族が違っていても日本で仲良くできると証明したい」と、平和を強く願う。

「パス出せ」「ゴール前に走れ」。同市近くの同県邑楽町のグラウンドで9月22日、澄んだ秋晴れの中、選手らが威勢のいい声を出し、練習に汗を流した。

立役者は在日ロヒンギャ2世で同市在住の高校1年水野守(ロヒンギャ名・スハイル)さん(16)だ。2017年8月にミャンマーで治安当局とロヒンギャ武装集団が衝突し、以降、ロヒンギャ民族70万人以上がバングラデシュに逃れ難民化。

雇用があるとされる館林市は多くのロヒンギャが住み、当時は市内の礼拝所でも、誰もが暗い顔で事件の話ばかり。迫害された子供の映像が目に焼き付き、同居する父は祖国の祖母らを心配した。

中2だった水野さんは、落ち込む仲間を元気づけようと声を掛け、同年11月にチーム「サラマットFC」を結成した。名前は平和を意味するアラビア語。将来は「バングラデシュの難民キャンプで試合して、現地の人を笑顔にしたい」という。

チーム員約20人のうち15人ほどがロヒンギャ。日本人、スリランカ人もいる。小中学生から20代まで在籍し、週2回ほど練習する。試合相手探しは難航したが、今年に入り、在日の他のミャンマー少数民族ベトナム人のチームと相次ぎ対戦した。ビルマ民族とは10月下旬で、11月は在日韓国人とも行う。

メンバーではないが、難民申請中で就労などが制限されるロヒンギャの男性(45)も練習に来る。「働けず絶望したが、サッカーで気が晴れた」と明るく話した。