ポスドク・企業橋渡し 経産省、共同研究の半額補助

博士号を持ちながら安定した仕事に就いていない「ポストドクター(ポスドク)」を支援するため、ポスドクと企業の橋渡しをする事業を経済産業省が始める。共同研究に取り組む場合などに費用の半額を補助する。大学で教員のポストが減る一方、企業は専門人材の不足に頭を悩ませている。ミスマッチを埋める取り組みを通し、研究開発の活性化を狙う。

文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、ポスドクは2015年度時点で全国で約1万6000人にのぼる。比較可能な09年度から1000人ほど減ったものの依然として高水準で、高い知識を持ちながら生かせていない人も多い。

経産省新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)と共同で、若手研究者と企業を引き合わせる事業を始める。博士号を取得してから10年以内の研究者を主な対象にし、20社程度の企業の前で研究内容を発表する機会を設ける。

ポスドク

研究内容はあらゆるモノがネットにつながるIoTやバイオテクノロジーなど幅広い分野で募る。20年度から全国で年20回ほど開催し、年300人以上の参加を見込む。

発表後に企業と共同研究で合意した場合は研究費の半分を補助する。一定期間、研究者を雇用する場合は人件費と研究費の半額を出す。1件あたり数百万円の想定で計20億円程度を見込む。これまでも人材交流などの後押しはあったが、経産省は資金的な支援を充実させて成果を増やす。

科学技術・学術政策研究所によると、人口100万人あたりの博士号取得者は16年度で118人と、06年度の140人をピークに減少傾向だ。大学は少子化を背景に経営環境が厳しい。終身雇用のポストが減り、将来の研究活動に不安を感じる学生も多い。博士号取得者の減少が続けば、日本の研究開発を支える人材の厚みに影響が出る懸念もある。